神経症とは


 
「神経症」とは、主に心理的原因(不安などの感情への囚われ)によって、心身に機能障害が生じることの総称です。
「依存症」と「神経症」に共通していることは、共に心が囚われている状態を指し、それが原因で生活が送りにくい症状を言います。

神経質な人、依存的な人、融通の利かない人、自己中心的などが神経症に陥りやすく、パニック障害や強迫性障害、社会不安障害などが主な種類です。

<神経症の原因>
・親が原因となるもの
・「不安」が神経症の発生源

<神経症になりやすい人>
①神経質な人
②依存症の人
③融通の利かない人
④自己中心的な人

パニック障害

パニック障害では、思いがけないときに突然、動悸や息切れ、強い不安を伴うパニック発作が生じます。そしてパニック発作が繰り返されるうちに、発作に襲われることに対する予期不安や発作が生じる状況に対する広場恐怖を感じるようになり、毎日の生活に支障をきたすようになってしまいます。治療が不十分で病気が進行してしまうと、うつ病やうつ状態になるおそれもあります。

パニック障害は
過度に自己防衛本能が働き、過緊張といった身体不良を引き起こします。

原因は生育過程にあると言われており、両親や環境下における人の顔色を見なければならない状況が抑圧を生み出し、自己防衛本能を働かせていると考えられます。

強迫性障害

「強迫性障害」とは、強い「不安」や「こだわり」によって日常に支障が出る病気です。「ドアに鍵をかけたか?」「鍋の火を消したか?」と、不安になって家に戻って確かめたなどという事は多くの人が経験することです。また、数字などにこだわることもよくあります。その不安やこだわりが度を超しており、戸締まりや火の元を何度もしつこく確認しても安心できなかったり、特定の数字にこだわって生活が不便になったりしている場合は「強迫性障害」かもしれません。強迫性障害は不安障害の一種です。全人口のうち強迫性障害にかかっている人は1、2%、50~100人に一人の割合といわれています。

社会不安障害

社会不安障害とは、ある特定の状況や人前で何かをする時に、緊張感が高まって不安や恐怖を感じ、次第にそのような場面を避けるようになる病気です。緊張は誰にでもあることですが、たいていは経験を積むにつれて自然に振る舞えるようになります。しかし、社会不安障害の場合は自分でも不合理だと思っているにもかかわらず、それがどんどんエスカレートし、日常生活に支障をきたしてしまいます。
社会不安障害は、放っておくとうつ病などの引き金になる恐れもあります。

こちらの方は、約20年間前にうつ病と診断され抗うつ薬や抗不安薬を服用されてきました。

しかし、一向に症状が改善されず症状が悪化するばかりで、当施設を訪ねてこられたのです。

先に精神測定を行った結果、抑圧と神経質だけが平均値を上回っていました。

この精神測定の結果を見る限りでは
神経症と判断できます。

お話を聞くと幼い頃の生育環境で、ご両親の顔色ばかりを伺っていたようで、それが原因で神経質になったと思われます。

その他神経症

 
社会恐怖(対人恐怖)
対人恐怖とも呼ばれ、人前で発言したり、字を書くときに手が震える等、他人から注目され、批判されたり恥ずかしい思いをするのではないか、というような恐れがその中心にあります。


 
解離性障害(ヒステリー性神経症)
この障害は、何らかの精神、身体的機能が意識から解離して意思によるコントロールが失われた状態です。従来はヒステリーと呼ばれていました。


 
気分変調症(抑うつ神経症)
不安や恐怖など一般的な神経質症状と共に、憂鬱な気分や心が晴れないなどの軽いうつ状態が続きます。